6月6日、上皇ご夫妻は上皇さまの退位を報告する親謁(しんえつ)の儀に望まれました。
今回は、東京都八王子市の大正天皇陵を参拝で、孝明、明治の両天皇陵(京都市)は12日に訪れる予定です。
新しい上皇旗も移動の車に取り付けられました。
旗の色は天皇旗より濃い色で早稲田大学のスクールカラーに近い感じに見えます。
移動の車には「上皇旗」が初めて取り付けられました。在位中、重要な儀式などに向かう際に使っていた「天皇旗」と同じ菊の紋章があしらわれ、地の赤色は天皇旗よりも濃いデザインです。記事に写真があります。https://t.co/wLDF40AwdQ
— 毎日新聞 (@mainichi) June 6, 2019
目次
上皇とは
上皇とは、退位した日本の天皇の称号になります。
2019年(平成31年)4月30日に退位した第125代天皇明仁に与えられました。
天皇が生前退位するのは江戸時代後期の1817年(文化14年)に退位した光格上皇以来202年ぶりで話題となりました。
退位特例法第三条に基づき、退位した後の明仁の称号を「上皇」とし、敬称は退位前と同様に「陛下」とした。
また、宮内庁は2019年(平成31年)2月に称号「上皇」の英語表記として「Emperor Emeritus」を採用すると発表した。
「emeritus」は「名誉待遇の」という意味を持つ。敬称の「陛下」の英訳は従来通りの「His Majesty」である。
直訳すると「名誉天皇」だが、「emeritus」は退位した前ローマ教皇ベネディクト16世にも用いられており、彼の称号は「名誉教皇」である。
海外では退位した君主に対して爵号を授けたり、即位以前の「王子」や「王女」を名乗ったり、あるいは退位後もそのまま君主の称号を保持し続けたりする例があったが、宮内庁次長は「我が国(日本)にはあまりふさわしくない」とした。
王室があり立憲君主制で日本と共通しているイギリスの公共放送局であるBBC(英国放送協会)では解説において「grand emperor」という語も使用している。
1868年(慶応4年/明治元年)に一世一元の制が定められ、1889年(明治22年)に制定された旧皇室典範や1947年(昭和22年)に制定された現行の皇室典範も退位に関する規定がなく終身在位となっていたため、これが憲政史上初めての退位となる。
また1869年(明治2年)の東京奠都後、東京の地で誕生し即位した天皇の退位も史上初めてであった。
生前退位は202年ぶりの江戸時代になるので、今回は上皇旗を新しく作成したものと思われます。
上皇旗と天皇旗
写真を見比べて頂いたら分かりますが天皇旗より濃い色が上皇旗でそれ以外の違いは特にありません。
天皇旗の概要を説明します。
1889年10月7日公布の海軍旗章条例(明治22年10月7日勅令第101号)にて制定(大日本帝国海軍の旗章)。
但しこの意匠については古くからあり、鎌倉時代頃には皇室の紋として定着した。
「十六八重表菊」が公式に皇室の紋とされたのは、1869年(明治2年)8月25日の太政官布告第802号による。
地質、錦、ただし特別の事由のあるときはこの限りでない。
地色、紅。菊章、金。横、縦の3/2。菊心、旗面の中心。菊心径、縦の2/19。菊全径、縦の2/3。
大日本帝国陸軍においては、天皇の公式の鹵簿(ろぼ)に際しては儀仗兵が天皇旗を捧持し、天皇旗の通御(つうぎょ。通行)の6歩前から6歩後まで、礼式を行なう。
海軍旗章令においては、天皇の乗御のとき、艦船においては大檣頂に、短艇においては艇首の旗竿に掲げる。
天皇が短艇で艦船に臨御のときは、短艇の着艦と同時に艦船に天皇旗を掲げ、短艇の天皇旗を撤去し、艦船から短艇に乗御のときは、短艇の発艦と同時に短艇に天皇旗を掲げ、艦船の天皇旗を撤去する。陸上の海軍官衙に臨御のときは天皇旗を旗竿に掲揚する。
上皇様の今後の予定
上皇様の今後の予定は以下の通りです。
宮内庁によりますと、上皇ご夫妻は、6月11日の午後、新幹線の専用列車で京都駅に到着し、宿泊先の大宮御所に入られます。
そして、翌12日の午前中、ご夫妻は、上皇さまの退位に関する儀式の1つとして、京都市東山区にある孝明天皇陵に参拝されます。
続いて午後には、京都市伏見区にある明治天皇陵に参拝する儀式に臨み、13日に東京に戻られます。
上皇ご夫妻が、東京都内を出て地方を訪ねられるのは、上皇さまの退位後、初めてになります。
また、これに先だって、上皇ご夫妻は、6月6日に、東京・八王子市にある大正天皇陵に参拝する儀式にも臨まれることになりました。
上皇さまの退位に関する一連の儀式では、日本書紀などで初代の天皇とされる神武天皇と、昭和天皇までの4代の天皇陵に参拝し、それぞれ退位を伝えられることになっています。
しかし、退位の前は時間的な余裕が無く日程の調整がつかなかったため、神武天皇と昭和天皇の陵に参拝する儀式だけが行われ、残る天皇陵への参拝は、皇位継承後に行われることになりました。
今の所、公務はこれで終わる形になりますが、来年の一般参賀には正式決定ではありませんが、出られるのではないかと言われています。