5月21日、日本政府は韓国人の元 慰安婦らの損害賠償を求めた韓国で の訴訟について訴訟は却下されなけ ればならないと韓国政府に伝えまし
た。
元慰安婦が日本政府を訴えた裁判「却下されるべき」 #nhk_news https://t.co/PB6XJylx5Z
— NHKニュース (@nhk_news) May 21, 2019
外国の裁判権から免除される国際慣 習法の「主権免除」という原則を挙
げ訴訟は却下を伝達しています。
目次
主権免除、訴訟は却下とは
日本政府「主権免除」を主張、韓国の元慰安婦訴訟で却下求める
韓国で元慰安婦や遺族ら20人が日本政府に約30億ウォン(約3億円)の損害賠償を求めた訴訟を巡り、日本政府は21日、「国際法上の(国家が外国での裁判を免除される)主権免除の原則から、日本政府が韓国の裁判権に服することは認められず、訴えは却下されなければならない」と韓国政府に外交ルートで伝えた。
韓国で裁判が始まる可能性があるが、日本政府は裁判には応じない方針だ。
外務省は21日の発表で「主権免除」を強調した上で、慰安婦を含む日韓の賠償請求権問題が1965年の日韓請求権協定で「完全かつ最終的に解決済み」だと主張した。2015年の日韓合意でも「慰安婦問題の最終的かつ不可逆的な解決を確認した」と述べた。
原告は16年12月にソウル中央地裁に提訴したが、日本政府は「主権免除」を理由に訴状を受け取らず、裁判開始は先送りされていた。
だが、地裁は今年3月、日本側に訴状が届いたとみなす公示送達の手続きを開始。
5月9日に手続きが完了し、裁判が始まる恐れが出たため、日本政府は改めて日本側の主張を韓国側に伝え、公表した。
国際法上、国家は互いに主権を侵害しないため、商取引や労働契約などに関する事案を除いて外国の裁判権から免除される「主権免除の原則」が確立している。
イタリアで第二次大戦中の強制労働などの被害者がドイツ政府を訴えた事例では、イタリアの裁判所がドイツ政府に賠償を命じたが、ドイツ側は「主権免除の原則」を主張して国際司法裁判所(ICJ)に提訴し、12年に最終的に勝訴した。
主権免除とは
主権免除の概要と種類について紹介
します。
主権免除の概要
この原則が確立したのは19世紀である。国家主権・主権平等の原則の下、主権国家が他の国家の裁判権に属することはない、という原則である。この免除は自発的に放棄することもできる。
かつてはすべての活動に対して裁判権の免除が認められていた(後述の絶対免除主義)が、20世紀にはいると国家が営業的行為を行なうことも出てきたため、そこまで認めてしまうと商行為の相手方に不利益になるため、一定の事項のみを免除するという立場が出され(後述の制限免除主義)、現在では制限免除主義が有力となっている。
免除の適用基準については行為の目的に着眼するか、性質に着眼するかで異なってくる。
画一的な基準は見出すことが困難であるため、裁判所の裁量による部分が大きくなってくる。
2004年には「国家及び国家財産の裁判権免除に関する条約」(国連裁判権免除条約)が採択された。
また、日本では同条約を踏まえた国内法として2009年に外国等に対する我が国の民事裁判権に関する法律が制定され、2010年4月1日より施行されている。
主権免除の種類
主権免除には、大きく分けて以下の2通りの説がある。絶対免除主義
国家の活動はすべて裁判権から除外されるという立場。制限免除主義
国家の活動を「権力行為」と「職務行為」に分け、免除の適用範囲を前者についてのみ認めるとする立場。国際的には現在、制限免除主義を採用する趨勢にある。
しかし、日本においては、大審院昭和3年12月28日決定が、絶対免除主義をとる判断を下して以来、最高裁判所における判例がない状態が続いていた。
学説は制限免除主義を主張していたこともあり、最高裁判所平成18年7月21日第二小法廷判決が制限免除主義を採ることを明言し、大審院の判例を変更した。
その後、2010年4月1日より外国等に対する我が国の民事裁判権に関する法律が施行され、同年5月11日には国連裁判権免除条約を批准したことにより、日本においても制限免除主義を採用するという立法的解決がなされている。
主権免除と慰安婦問題のこれから
2015年の12月に慰安婦問題に
関する日韓合意がありました。
日本政府が拠出した10億円で、韓 国政府が設立した「和解・癒やし財
団」を解散するという内容でした。
文氏は大統領就任前から合意内容を批判して再交渉を訴え、元々合意を尊重する姿勢は見えなかった。
ただ現時点で再交渉や破棄はしないという。合意に反対する元慰安婦が日本の拠出金受け取りを拒否し、なおかつ財団の理事が次々と辞任する状況で、これ以上事業を行えないというのが韓国側の論理である。
しかし、元慰安婦の7割以上は拠出金を受け取っている。
それなのに韓国の発表で財団の果たした役割に一切言及がなかったのはおかしい。日本政府が抗議したのは当然だ。
韓国政府は元慰安婦らの意見に耳を傾けるという「被害者中心主義」を掲げる。
だが、批判ばかりで代替案を示さないなら前進しない。
慰安婦問題では、1990年代にも日本が「アジア女性基金」を設立して元慰安婦に「償い金」を支給したが、日本政府の拠出ではないとして反発が出た。
今回再び韓国の国内世論により頓挫したことで、慰安婦問題を外交的に解決するのは一層難しくなった。
日本、韓国で解決するのが難しい場 合に国際裁判で解決するという考え もありますが、韓国が拒否すれば実
現はしない状況です。
–その他