既存の国主導による高価な大型ロケットに対抗し、枯れた技術を用いた小型のロケットで超小型衛星を安価に打ち上げるシステムの構築を目指す。
2014年を目処に人工衛星を軌道投入可能なロケットの実用化を目標に、エンジンの開発が進められている。宇宙機エンジニアである野田篤司の超小型衛星を打ち上げられる最小構成のロケットという構想を元に、当時ライブドア社長だった堀江貴文がスポンサーとなる形で2005年に開発がスタートした。
その後、2006年から2008年にかけて推力30kgf級の液体燃料ロケットエンジンを開発、第1号エンジンであるこのエンジンはエタノールを燃料とし、液体酸素を酸化剤としており、当初は都内で、2007年からは千葉県鴨川市に新たな開発拠点を設けて試験が繰り返された。
2009年からはCAMUIロケットを開発する北海道赤平市の植松電機の協力を得て開発拠点を移転、第1号エンジンの本格的な燃焼試験を行い、推力90kgf級の第2号エンジンの開発に着手している。
2010年からは90kgf級エンジンを搭載するロケットの機体設計と、これまでの経験を反映した推力500kgf級の第3号エンジンの開発を開始した。
2011年3月27日には、北海道広尾郡大樹町で特定非営利活動法人北海道宇宙科学技術創成センター (HASTIC)に委託し、液体燃料小型ロケット「はるいちばん」を、2011年7月23日には「なつまつり」をそれぞれ打ち上げている。2019年5月4日、民間ロケットとしては初、宇宙空間に到達した。
これらのプロジェクトと平行して、2013年にはサイバーエージェントとの折半出資により、グループトークアプリ「755」を開発する会社・株式会社7gogoを設立している。
なお、なつのロケット団のスタッフとして漫画家の あさりよしとおやSF作家の 笹本祐一、ジャーナリストの松浦晋也など宇宙作家クラブのメンバーが名を連ねている。
インターステラテクノロジズMOMO3号機打ち上げの経緯
直前に騒然…ホリエモンロケット快挙の裏でドタバタ https://t.co/A7DvWI4O85 たしかに、カウントダウンは外で見てる人向けにもう少しわかりやすくしたい…
— いな (@ina111) May 5, 2019
MOMO3号機が打ち上げを成功す
るまでの経緯を紹介します。
元ライブドア社長で実業家の堀江貴文さんが出資する宇宙ベンチャー、インターステラテクノロジズ(IST)の小型ロケット「MO(モ)MO(モ)」3号機が4日午前5時45分、北海道大樹町から打ち上げられた。ロケットは数分後、民間単独のロケットとして国内初めて高度100キロの宇宙空間に到達。打ち上げは成功した。機体は太平洋上に着水した。
堀江さんはツイッターに「宇宙は遠かったけど、なんとか到達しました。高度約113km」と投稿した。
MOMO3号機は全長9・9メートル、直径50センチ、重さ1150キロの液体燃料ロケット。
市販の部品を使うなど低コストで開発した。今回の打ち上げ費用は数千万円。
当初4月30日に打ち上げる予定だったが、燃料の液体酸素漏れが直前に発覚。部品の交換や発射場近くの強風のため、三度延期していた。
ISTは、前身企業が始めた宇宙事業を継承して2013年に設立。
MOMOで高度100キロ超の宇宙空間への到達を経て、高度500キロに重さ100キロ程度の小型衛星を打ち上げる新型ロケット「ZERO(ゼロ)」の開発をめざしている。
MOMO1号機は17年7月、打ち上げ約1分後に通信が途絶え、高度20キロから海上に落下。
2号機は18年6月、打ち上げ直後にエンジンが停止し、機体が落下して爆発した。
2号機の失敗を受け、ISTは外部の専門家を含む対策委員会を設立。
姿勢を制御する小型エンジンの誤作動が原因と特定し、エンジン内部の設計を見直し、打ち上げに近い状態での燃焼試験を初めて実施するなど対策を重ねていた。
ISTが狙うのは、需要が高まってきた小型衛星の打ち上げ事業への参入だ。
部品の高性能化により、衛星の小型化が進み、年間数百機が打ち上がる一方で、打ち上げは大型ロケットに頼っている。
ただ、コストは最低数十億円と高く、他の衛星との相乗りで待ち時間が長いなどの不都合が多く、世界中で安価で小回りのきく小型ロケットの開発が進んでいる。
ISTは、今回の成功を機に、ZEROの開発を加速させたい考えだ。商業化すれば、1回のコストは6億円以下、年数十回の打ち上げ需要を見込んでいる。早ければ22年末に打ち上げる予定。
インターステラテクノロジズのこれから
ホリエモンのロケット開発への考え
を紹介します。
堀江氏は「ITでインターネット回線が遅くて値段が高い時代だった頃、『こんな回線使い物になるのか』と言われたこともあったが、(小型ロケットの)今の状況も似たようなもの」とIT業界の黎明期と比較。ロケットの値段が下がれば「ネットでさまざまなことができるようになった現在のように、(今後は)これまでになかった宇宙ビジネスが展開されるかもしれない」(堀江氏)と、ZERO開発の意義を語る。
「後れているところがあるが、なんとかキャッチアップしていきたい」。
海外の民間ロケット開発に遅れてい る日本ですが、今後はJAXAやほかの 事業者と協力体制を強化し追いつけ
るかが注目されています。
インターステラテクノロジズの株価 がどのように推移するかも目が離せ
ない所でしょう。