市川海老蔵、高橋みなみ、仲里依紗…多くの著名人がSNSやブログで拡散する「血液クレンジング」。
『新装版「ニセ医学」に騙されないために』の著者で、医師の名取宏さんは「ニセ医学」「誇大宣伝」と指摘します。
【New】「血液クレンジング」に批判殺到 https://t.co/B7Tr0AvkMW
— BuzzFeed Japan News (@BFJNews) October 19, 2019
名取宏、血液クレンジングが話題に!の反応
名取宏(なとろむ)さん登場!!! https://t.co/TQFRzF4hoV
— ONISHI MAO (@mao7735) October 19, 2019
はあちゅうさん「何年か前にフォロワーさんに医学的根拠がないと指摘を受けて記事など削除したつもりでしたが(略)消し忘れもあったようです」
医師の名取宏さん@natrom「私なら血液クレンジングは無料でも受けません」https://t.co/GyDWzoYgNo
— mao_ivory (@mao_ivory) October 19, 2019
医師の名取宏さん
“効果がはっきりした健康法は、適正体重の維持、適度な運動、バランスのよい食事、禁煙といった当たり前でつまらないもの。”何事も基礎基本が大事だけど、つまらない。
でも、つまらないの積み重ねが結果につながる。 https://t.co/DD3ecwGfF8— tomoki akiyama (@1007_AT) October 19, 2019
これ、厚労省も放置してはいけないと思う
医師の名取宏さん「『血液クレンジング』を受けても、疲労回復やアンチエイジングといった効果は見込めません。多くのクリニックでうたわれている効果効能は十分なエビデンスがあるとは言い難く、誇大宣伝だと考えます」https://t.co/eeWmOay05z
— 福地慶太郎(朝日新聞記者) (@kei_fukuchi) October 19, 2019
知恵袋より、血液クレンジングを行う美容外科で働いていた看護師さんからのアンサー(2013年1月回答)です。ご査収ください。 https://t.co/jguBHDY9Ds pic.twitter.com/0BiebMMXCQ
— 小林克彦 (@cjackano) October 17, 2019
ほんとに効果あるんやったら近所の大学病院でもやってないかい?#血液クレンジング pic.twitter.com/eeqfYlieWr
— 安宅涼@スイッチョン (@ryo_a_0329) October 16, 2019
名取宏、血液クレンジングが話題に!リスクとは?
『医師が教える 最善の健康法』[ https://t.co/su4hAXS2NY ]。書店の健康関係の本棚を見るたび玉石混交だと思っていました。ニセ医学を批判するだけではなく、良い情報を積極的に出していくことが大事だと考えます。頑張って書きました。すごく頑張ったよ…。
— 名取宏(なとろむ) (@NATROM) June 3, 2019
――血液クレンジングによる効果は見込めるのでしょうか?
健康な人が「血液クレンジング」を受けても、疲労回復やアンチエイジングといった効果は見込めません。
海外の医学論文を検索すると、自分の血液をいったん体外に出して、オゾンを注入した上で体に戻す「自己血オゾン療法」について、いくつかの疾患に対して効果があったとする研究は存在します。
しかし、エビデンスは不十分で、歴史が長いわりにはいまだに代替医療の一つという位置づけです。ましてや健康な人にプラスの効果があることは証明されていません。
日本において自費診療で行われている「血液クレンジング」はニセ医学だと私は考えます。多くのクリニックでうたわれている効果効能は十分なエビデンスがあるとは言い難く、誇大宣伝だと考えます。
「血液クレンジング」自体は以前からあり、定期的にバズっています。血液が鮮やかな赤色になりますので、InstagramなどのSNSと相性がいいのかもしれません。
高カリウム血症や心筋梗塞の例も――リスクや副作用の心配は。
オゾンを注入した自己血を戻すだけなので、適切に管理されていれば、さほど大きなリスクがあるわけではないようです。
とはいえ、リスクはゼロではなく、自己血オゾン療法後に高カリウム血症や心筋梗塞が起きた事例が報告されています。
また、オゾン療法ではありませんが同じく自己血を用いた代替医療に関連してB型肝炎のアウトブレイクが発生した事例もあります。
「医師の責任は大きい」――血液クレンジングを実施するクリニックや、それを広める芸能人の責任をどう考えますか。
国家資格を持つ医師の責任は大きいと考えます。さまざまな効果があるかのように誤認させ、しかも高額な対価を取ってエビデンスの乏しい医療を行うことは倫理的に問題があります。
拡散する芸能人についてはやむを得ない面があると思います。主流ではないとは言え複数の医師がすすめていますし、プラセボ効果もありますので、よい治療法だと誤認することもあるでしょう。
金銭的な対価を得た上でそれを隠して宣伝に加担するステルスマーケティングであれば問題ですが、そうではなく、無償で誤認に基づいて拡散すること自体は責められません。
芸能人に限らず、間違った情報を善意で拡散してしまうことは誰にでもあるでしょう。ただ、健康や病気に関する情報は拡散前に慎重になっていただければ、ありがたいです。――こうした「健康法」と向き合う際には、どんな点に注意すべきでしょうか。
健康な人がより健康になりたい、病気を予防したいと願うのは当然です。ただ、お金を払えば手軽に健康が得られるような方法はまず存在しません。
効果がはっきりした健康法は、適正体重の維持、適度な運動、バランスのよい食事、禁煙といった当たり前でつまらないものです。
効果が不明確な健康法にお金をつぎ込む前に、これらの当たり前の健康法を行うほうがお得だと思います。
病気の人は、まず、標準医療を受けてください。日本には国民皆保険制度があり、保険の範囲内でよい治療が受けられます。
医療は高価だからより価値があるとは限らず、むしろ効果が証明された医療は保険適用になりますので自己負担額は安くなります。
「血液クレンジング」といった自費診療の医療を受けるのは無理には止めませんが、ほとんどは効果があるかどうかすら不明確であることを承知の上で受けてください。私なら血液クレンジングは無料でも受けません。